クリエイティブ・コモンズ(CC)ライセンスの読み方 ― BY・SA・NC・NDの意味
CC BY・CC BY-SA・CC BY-NC・CC0——クリエイティブ・コモンズの記号は「商用利用してよいか」「改変してよいか」「継承が要るか」を表しています。素材を使う側と、自分の作品に付ける側の両方の目線で、読み取り方の基本を大阪・堺の行政書士が整理します。
「CC BY-NC-SA 4.0」……これ、結局なにが許されているのか
ゲームの効果音を探していたら「CC BY 4.0」。同人誌の背景に使いたい写真は「CC BY-NC」。3Dモデル配布サイトでは「CC0」——制作の現場では、こうしたアルファベットの並びにしょっちゅう出会います。
これらはクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)と呼ばれる、作者が自作に付けた「利用条件の表示」だと整理されています。記号の意味さえ分かれば、その素材を使ってよいかを作者に問い合わせなくても読み取れるのが利点です。
※この記事は一般的な情報の整理です。実際の可否は、素材に付されたライセンスの版・表記や配布元の追加条件によって変わります。迷う場面では配布元への確認や、後述の窓口へのご相談をおすすめします。
1. CCライセンスは「あらかじめ出されている許可」
著作物は、原則として作者に無断では使えないのが出発点です(→著作権とは(基礎・ハブ))。CCライセンスは、作者が作品を出す時点で「この条件を守るなら、私に連絡しなくても使ってよい」という意思表示を示しておく仕組みだと説明されています。
裏を返せば、条件を外れた使い方には許諾が及ばないと整理されています。「CCだから自由」ではなく、「CCの条件の範囲で自由」という理解が出発点になります。
2. 4つの記号の意味
CCライセンスは、次の4つの条件記号を組み合わせて表されます。まずはこの4つだけ覚えれば、たいていの表記が読めるようになります。
| 記号 | 読み | 意味 |
|---|---|---|
| BY | 表示 | 作者などのクレジットを表示する。CCライセンスすべてに共通して付く条件とされています。 |
| SA | 継承 (ShareAlike) | 改変して公開する場合、元と同じライセンスを付けて公開する。 |
| NC | 非営利 (NonCommercial) | 営利目的での利用は認められない。商用利用が制限されます。 |
| ND | 改変禁止 (NoDerivatives) | 改変したものの公開が認められない。そのままの形での利用が前提。 |
なお、SA(継承)とND(改変禁止)は性質上いっしょには使われないと整理されています。改変が禁じられているなら「改変物に同じライセンスを付ける」という条件は意味を持たないためです。
3. 組み合わせの読み方
上の4記号を組み合わせると、実際に使われる種類は6つに整理されます。
| 表記 | 商用利用 | 改変 | 継承 |
|---|---|---|---|
| CC BY | 可 | 可 | 不要 |
| CC BY-SA | 可 | 可 | 必要 |
| CC BY-ND | 可 | 不可 | — |
| CC BY-NC | 不可 | 可 | 不要 |
| CC BY-NC-SA | 不可 | 可 | 必要 |
| CC BY-NC-ND | 不可 | 不可 | — |
末尾の「4.0」などの数字はライセンスの版です。版によって細かな規定が異なるとされているため、版までセットで控えておくと安全です。
CC0はライセンスとは少し性質が違う
配布サイトでよく見るCC0(シーシー・ゼロ)は、上の6種類とは位置づけが異なります。CC0は「条件付きの許可」ではなく、権利者が可能な限り権利を手放し、パブリックドメインに近い状態に置くための意思表示のツールだと説明されており、クレジット表示すら条件としては求められないのが通常です。
ただし、表示しなくてよいことと表示しないほうがよいことは別です。制作物のクレジット欄に素材元を書いておくと、後から出所を説明しやすくなります(→クレジット表示と権利の関係)。
4. 読み取るときの3つの問い
表記を見たら、次の3つを順に確認すると迷いにくくなります。
問い1:商用利用してよいか(NCの有無)
NCが付いていれば、営利目的の利用は認められていないと読みます。同人誌の頒布、ゲームの有償販売、企業案件のデザイン——このあたりは営利目的と評価される可能性が高い場面です。
注意したいのは、「非営利」の線引きには解釈の幅があるとされている点です。商業展開の可能性がある作品では、NC付きの素材を避けるか、作者に個別に確認するのが安全側の判断になります。
問い2:改変してよいか(NDの有無)
NDが付いていれば、改変したものの公開は認められていないと読みます。ここでの「改変」には、色調の変更・トリミング・合成・BGMの一部切り出しなども含まれ得ると考えられています。加工する前提なら、NDが付いていない素材を選ぶという選定段階での判断が効いてきます。
問い3:継承が必要か(SAの有無)
SAが付いていれば、改変したものを公開する際に元と同じライセンスを付けることになります。CC BY-SAの素材を組み込んだ制作物を公開する場合、その公開物にも同じ条件が及ぶ可能性があります。権利を留保したまま作品を出したいなら、SA付き素材の扱いは慎重に考えたいところです。
5. 素材を使う前の確認ポイント
- [ ] 記号の並びと版を確認したか(例:CC BY-NC-SA 4.0。版まで控える)
- [ ] 自分の用途は営利目的に当たらないか(NC付きの場合)
- [ ] 加工する予定はないか(ND付きの場合)
- [ ] クレジットの書き方が指定されていないか(一般に、作品名・作者名・ライセンス種別とそのリンク・改変の有無が求められるとされています)
- [ ] 配布元が独自の追加条件を付けていないか(CC表記の脇に別途「規約」がある場合)
※素材に第三者の権利(写り込んだ人・商標・キャラクター)が関係していないかもあわせて確認を。CCが及ぶのは原則としてその作者が持つ権利の範囲だと整理されています。
ポイント:使った時点のライセンス表記をスクリーンショット等で控えておくと、後から「どの条件で使ったか」を説明しやすくなります。
6. 自分の作品にCCを付けるとき
CCは「使う側」だけの話ではありません。自作の効果音・素材を公開する側としても使えます。ただし、次の性質は知っておきたいところです。
- いったん出した許可は、さかのぼって取り消しにくいとされています。後から表示を変えても、すでにその条件で受け取った人への許諾には影響しにくい、と説明されています。
- 自分に権利のない部分には及びません。他人の素材や第三者の権利が混ざった作品に、まとめてCCを付けることはできないと整理されています。
受託制作や共同制作の作品にCCを付けたい場合は、権利の帰属が契約でどう決まっているかが先に問題になります(→クリエイター契約書の基本)。
よくある質問(FAQ)
Q. CCライセンスの素材なら、クレジットを書けば何にでも使えますか?
A. いいえ。BY(表示)は条件のひとつにすぎません。NCが付いていれば営利目的の利用は認められておらず、NDが付いていれば改変物の公開も認められていません。記号の並び全体の確認が必要です。
Q. 同人誌やインディーゲームの販売は「営利目的」に当たりますか?
A. 有償で頒布・販売する場合は営利目的と評価される可能性があると考えられています。線引きには解釈の幅があるとされているため、NC付きの素材は商業展開のある作品では避けるか、作者に確認するのが安全です。
Q. CC BY-SAの素材を使うと、自分の作品もCC BY-SAになりますか?
A. 改変物として公開する場合、同じライセンスを付けることが条件になります。ただし「どこまでが改変物か」は個別性の高い判断です。権利を留保したい作品では、SA付き素材の使用を慎重に検討することをおすすめします。
この記事は一般的な情報です
本記事はCCライセンスに関する一般的な情報提供であり、実際の可否は各素材に付されたライセンスの版・表記や配布元の追加条件によって異なります。相手方との交渉や訴訟などの争訟対応は弁護士、商標の登録出願手続は弁理士、登記は司法書士と、それぞれ専門家の領域があります。当事務所は書類作成・相談対応の範囲でサポートします。